肉体労働をバカにしている人って結構多いと思うんですが、舐めない方が良いかも、という話。
昔の人はみんな身体を動かして仕事をしていました。
畑を耕し、海へ出て漁をする。身体がないと始まりません。むしろ頭は邪魔だったかもしれない。
戦後高度経済成長があって、工場で物を作る人が増え、いつしかホワイトカラーなんて言われる人達が出てきて、気付けば多数を占めるようになりました。
外国人労働者が増えて、これからもどんどんその流れは続くのでしょうか。
いや、むしろ逆だと思います。
機械に仕事を取られるのはむしろオフィスワーカーですよ
建築現場の仕事がわかりやすいです。
もう土地がないといいつつ、東京や大阪のような大都市ではまだまだ、どんどんビルが建っています。
ビルなんて重機で作ってるんだろ?と思うかもしれませんが、あんなの人間がいないと絶対無理ですよ。
柱を建てて床を作って天井張って終わり、じゃないんです。
屋根がないうちは、雨が降ったら現場はどうなると思います?
雨の処理は人間がいないと無理
当然、水浸しなんです。だから水を汲み上げなきゃいけない。直接汲み上げるのは機械のポンプなんですけど、あんなのじゃ細かい仕事は出来ません。
ポンプを運んで設置する人、ポンプでは処理切れない分を人間がスポンジで吸ってバケツに移すというのをひたすらやらなきゃいけません。
ある程度汲み終わったら、今度は乾燥させなきゃいけない。
別に機械でも出来るんじゃないの?と思いました?
でも、この作業って、建てる作業と同時進行でやらなきゃいけないんです。終わるまで待っている訳にはいきませんから。
びっちゃびちゃの地下で水を汲み上げている横では階段を作っている人もいるし、エレベーターの壁を作っている人もいる。
誇りだらけ、粉だらけ。凸凹でとにかくごっちゃごちゃなんですよ。
これをルンバにやらせようとしたって無理。当たり前ですけど。
ダイソンの掃除機だって話になりません。ミスターサタンとクリリンくらいレベルが違います。
A地点からB地点をひたすら繰り返す
極端ですけど、ビルを建てるのってひたすらものを移動することです。
土を掘ってどっかにやる。鉄の塊や木材、コンクリートを持ってきて基礎が出来る。
今度は隙間を埋めるためにまた土を持ってくる。
それが終わったら、今度は雨が降ってくる。雨水を移動する。
毎日資材が運ばれてゴミが出て、掃除をして、また資材がきて上の階へ。
ある程度のノウハウはあれど、そう簡単ではありません。オフィスワークにはない難しさがあります。そして、この難しさは機械でどうにかするのはまだまだ先の話でしょう。
複雑な手続きほど機械に変わられやすい
お金の計算や、精密な機械の組み立てなど、人間の手に負えない複雑な手続きはどんどん機械がやってしまいます。
ところが、A地点からB地点にものを移動するという一見誰にでも出来そうなことが機械には難しい。
単純計算で必要な人数が違います。5人がかりで計算していたものは小さなICチップで済んでしまいますが、5人がかりで運んでいたものは今でも、これからもやっぱり5人がかりです。
なんていうか物理的に無理なんですよ。
機械でドッカンドッカンやっていたら細かい作業が全然進まないんです。どうやったって掃除する人はいなくちゃいけません。
例えば、拭き掃除と掃き掃除を他人の作業の邪魔にならないようにやってくれるロボットっていつ出来ると思います?
お金を右から左へ動かして、人の人との仲介ばかりしているより、汗水流してきつい思いをした方が余程ためになるかもしれません。