未経験から料理人になるのを躊躇する人はとても多いです。
その理由は、良くない噂が飛び交っているから。料理の仕事が好きな私にとってとても残念なことです。その「良くない噂」の中でも特に多く聞かれるのがこれ。
- 厳しい業界だという噂
- 給料が低い
- 離職率が高い
- 勤務時間が長そう
- 未経験の人を受け入れてくれないイメージ
うーん・・確かに私も転職するまでは多少なりともそう思っていましたし、分からなくもありません。でも、そんな噂があっても私自身は料理人に転職し、大きなストレスもなく普通に働くことができました。
何で?
どうやって?
そう思う方の方が多いと思います。
ということで、今回は私自身が料理人になった経緯と方法について。料理の仕事を目指す人の参考になれば幸いです。
料理人を目指した理由は「唐揚げ」
転職する前、私は営業職に就いていました。
高級商品を扱う中小規模の会社です。
営業職に感じた限界
上司や会社にも恵まれ、扱っていた商品も素晴らしく、色々なことを学びながら充実して働ける職場でした。社内での成績も悪くはなかったと思います。
ところが、売上げを上げ続けることが思いのほか心の負担となっていることに気がついたんです。
目標を達成しても月が変われば次の目標、年が変われば次の目標・・・。エンドレスに会社の稼ぎを担い続けなければいけませんでした。
同じことを続けていく。
それはどんな部署でも同じだし、みんなそうやって働いている。でも、自分にはできそうもない。私は「なぜ自分はこんなに苦しいんだろう?」そう思うようになりました。
このまま営業を続けていいんだろうか?
もっと自分が自然体で興味を持てる業種の方が、心の負担を軽くできるのではないか?と。
会社が倒産寸前に!更に悩む・・
あーだこーだと悩んでいるうちに、営業をしていた会社の経営が傾き倒産寸前の状態になりました。これはもう、否が応にでも転職をしなければいけない。
でも、営業って「これが出来ます!」と言えるスキルとは呼べないよなぁ。やりたくない人が多い分、仕事は探しやすいだろうけど・・・。自分はまた営業をするべきなんだろうか?いや、でもやっぱりキツい。また営業やって後悔するのもなぁ・・。。
など悶々と考え続けていたのです。
自然体で無理なく働ける仕事って何か?
大変でも頑張れる仕事って何か?
そもそも営業以外の仕事で受け入れてもらえるのか?
やっぱり営業をするしかないのか?
考え続けているうちに、ふと「ある事」を思い出したんです。
学生時代のアルバイトの経験を思い出す
学生時代、3年間弁当屋でアルバイトをしていたことがありました。当時、鶏の唐揚げが大好きで「働けば安く大量に唐揚げが食べられるんじゃないか」という軽い気持ちで働いていたんです。
知っている人もいると思いますが、弁当屋のアルバイトというのは、食べ物系のバイトの中でも大変な部類に入ります。
まず、スーパーやコンビニの弁当と違って作りたてを速いスピードで出さなければいけません。それでもお客様は「コンビニ感覚」で来店する人ので、5分も待つとイライラします。
だから待ち時間を少なく提供しなければいけないのに、普通の飲食店に比べて弁当は安いので従業員も少ないし、調理場も狭い(家賃は飲食店の方が上ですが)。それなのに昼や夜のピーク時はぞろぞろ人がやってくる。
でも、私はこれを負担に感じずに働くことができていました。そりゃあ暇な方が楽ですよ。でも
野菜を切るのが早くなること
美味しそうなタイミングで揚げ物を揚げること
工夫して手際よく作業すること
キッチンを清潔に保つこと
全てが嫌じゃなかった。
それを思い出したんです。
今の私には「これ」と言えることはないけれど、苦痛に感じずにできる仕事はこれかもしれない!そう思うようになりました。
一度きりの人生、やってみたいことをやろうと思った
もちろん不安はありました。給料とか時間とか。でも、それより何より
自分の心の負荷を減らせること
プロの料理を作れるようになること
この2つの魅力は私にとってとても大きいものでした。
だから私は料理の仕事を探すことに決めたんです。
「料理の仕事は修行するのが当たり前だから、未経験からでも雇ってもらいやすいんじゃないか?」そんな気持ちもありました。
料理人の仕事を探した方法
私が目指したのは「伝統的な日本食」の料理人です。
そこで私が大切にしていたのは3つ。
- 活動期間を決めること
- 条件を妥協しないこと
- 飲食専門の求人サイトを使うこと
では、それぞれについてもう少し詳しく書いていきます。
①飲食の就活期限を決める
料理の仕事を探すのはとりあえず3ヶ月までと決めました。
私が無職で要られる期限が半年だったので、その半分の期間です。
一人暮らしをしていましたから、いくら雇用保険を受けるとしても長い間仕事がないのは困ってしまいます。なので、うまく行かなければ他の業種も視野に入れようと決め、それまでは料理の仕事を探すのに専念することにしました。
②雇用条件を妥協しないこと
雇用条件を妥協しない、というのはまず絶対に正社員で探すこと。
飲食の求人は「正社員登用あり」という場所が多いのは、何となくイメージしやすいと思います。私も最初は「未経験だし、最悪バイトからでもしょうがないかなぁ」と思っていたのですが、でも、やめた方が良いです。面接に行くだけ無駄勿体無いので。どんなに雰囲気の良い店でも。
「しばらくはアルバイトで様子を見て、それから正社員に」と言っている店で「今どのくらい正社員がいらっしゃるんですか?」って聞くと、大体一つのお店で1人か2人。残り10人アルバイト、みたいな感じでした。つまりそれは、正社員になれる確率が低いということです。
現時点で人権費をケチる出さないような店が、アルバイトの多くを正社員にするのはあり得ません。なれたとしても1人、もしくは誰か社員がやめた時。万が一、幸運にも自分が社員になれたとしても、そんな考えの会社で働くことが幸せとは思えません。嫌になってまた転職したくなったら本末転倒ですから、社員を無碍(むげ)にしない会社を探す方が良いと思います。
③飲食専門の求人サイトを活用
まず私は最初に普通の大手転職サイトに登録しましたが、調理技術が学べるとは言えないフランチャイズ、条件が微妙な店ばかりでした。ハローワークも同じような感じです。
「世の中には物凄い数の飲食店があるはずなのに、いったいどこで募集しているんだろう?」そう思って活用したのが飲食専門の転職サイトです。
未経験から料理人の転職の場合、飲食の専門サイトはかなり使えます。何件か登録しましたが、見たことのない募集がゴロゴロ出てきたので、普通の転職サイト以外に登録して大正解でした。
- 普通の飲食専門サイト
- コンサルタントがいる飲食専門サイト
私が使ったのはこの2タイプです。
「普通の飲食専門サイト」は大手リクナビの飲食コーナーをもっと専門的にしたような感じでイメージしていただければと思います。
大切なのはもう一つの方、思いのほか使って良かったなと思った「コンサルタントのいる飲食専門サイト」です。コンサルタントとは、よく言うエージェントのような感じ。
使ってよかったと思うポイントは以下の3つです。
【未経験オーケーが多数】
普通、転職エージェントは「スキルを活かしたい転職者と企業をマッチングさせる」のが目的なので、未経験だと登録すら断られることも多いのが実情です。
しかし、飲食というのは特殊な業界で、未経験者を敢えて求めることがよくあります。店のやりかたを覚えるのに経験が邪魔になるとか、色んな理由があるようですが。そのため未経験でも専門の人からサポートを受けることができるんです。
コンサルタントがいるサイトは一般の転職サイトとは違い、仲介者(コンサルタント)がサポートしてくれます。ヒアリングを行い、こちらの希望や条件を聞いた上で合いそうな会社(店)を提案してくれるので、自分では好条件を探しにくい飲食業界の転職者にとって非常に心強いです。
【飲食業界のあれこれを教えてくれる】
飲食というのは大手企業が運営する店から小さい店まで、本当に色々な会社や店がありますよね。しかも大きくない店ほど美味しい店だったりして、どうしたら良いのか分からなくなってしまうんです。
そこをコンサルタントに聞けば、自分の知らない飲食業界のことを色々と教えてもらうことができます。面談でも良いし、電話やメールでもちゃんと答えてくれます。これで何となく業界のことが掴めるようになるので活用しない手はありません。自分では探し出せない案件も提案してくれるので「そんな会社もあるのかぁ」と、未経験者にとってすごく参考になると思います。
【コンサルタントが会社に後押ししてくれる】
仲介者がいるサイトの特徴として、一般の転職サイトよりも会社との関係が密である、という点が挙げられます。
つまり、自分が「この会社で働きたい」と思った時に「しっかり働ける人です」というアピールをコンサルタントがしてくれます。だからって全てが合格というわけではありませんが、これはかなり心強いですよね。とにかく、面接までたどり着ける数が圧倒的に違います。
転職活動の終了と働いた印象
結局2ヶ月ほどで職場を決め、私の転職活動は終了しました。自分と相手の条件が合致した上で採用された会社は2つです。
・コンサルタントに紹介してもらった店
・普通の飲食専門サイトから内定をもらった会社(コンサルタントがいない)
迷った結果後者を選びましたが、コンサルタントに教えてもらった「飲食業界のあれこれ」は、会社を決める時にも役だちました。おかげでどんな会社を選んではいけないのか、考える事ができたので無駄にはならなかったと思っています。
働いてみたら、思った通りだった
修行のような期間は大変なこともありましたが、やっぱり思っていた通り、自分にとって努力をすることが嫌じゃない状態で働けて、吸収することや勉強することで充実感を得られる仕事でした。
不安に思っていた噂(お金とか時間が云々・・)というのも、考えすぎだったなと今になって思います。料理業界がブラックなのではなく、ブラックな場所もある、他の業界と同じなんですね。
料理が好きなら、働いてみる価値あります
出汁の取り方、正しい切り方、調理器具の扱い方、どれもこれも勉強になることばかりです。そして基本を覚えた後、きれいな器に自分の料理を美しく盛り付けできた時の喜びは計り知れません。
実家に帰省した時、母親に「何この天ぷら!すごいね!」と言ってもらった時も嬉しかったです。
私と同じように、料理のことが頭の片隅から離れない人は勇気を持ってやってみて欲しいなと思います。
まとめ
自分できちんと条件を決めて就活すれば大丈夫です。料理の業界は受け入れる間口が広いので、他の業界よりある意味受かりやすいです。
良い転職ができることを願っています。
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